原作者マヌエル・リバス
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予告篇
蝶の舌 脚本家ラファエル・アスコナの才能を刺激することになった、私の三つの物語は、私たちの歴史に立ちはだかる威圧感のある壁に開いた小さな窓として誕生した。アスコナは私の三篇の物語から、見事な写し鏡を作り上げたと思う。それを通して、人生は情熱に燃え、儚くも尊い翼で羽ばたくことを許される。子供の頃、私たちはよくポスターの前で「これは何についての映画なの?」と、首をかしげたものだ。
 それでは本作『蝶の舌』は何についての映画か? 私は、人間の冒険を正当化する以上に二つのことを学ぶこと、つまり「愛」と「自由」を学ぶことを描いた映画だと言いたい。もろくて儚い人生をコツコツと築いてゆくことと、その人生を全体主義権力の偏執が乱暴に破壊することについてである。


目を閉じると、また自転車に乗ったあの男が見える。ハンドルをしっかりと握り、のどかにペダルを踏んでいる。男はポスターを広げる。『蝶の舌』だ。「何の映画?」と私は訊ねる。男は人差し指を口に当てる。ポスターを貼っている間、男から返ってきたのは、「シーッ」という反応だけだ。そして再び自転車に乗り、ペダルを漕ぎ出す前に私の方を振り返り、こう言い残す。「愛と自由の映画さ!」

原作|角川書店 BOOK PLUS刊 「蝶の舌」
蝶の舌
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