メイン州ニュー・イングランド。人里はなれたセント・クラウズにある孤児院で、ホーマー・ウェルズは産声を上げた。ウィルバー・ラーチ院長、そして二人の看護婦アンジェラとエドナに面倒を見てもらい、ここから新しい家族のもとへ巣立っていくはずだった。ところが、何度引き取られても彼は親たちの希望に添うことができず、いつもセント・クラウズに戻されてしまうのだった。
ホーマーは特別な子だ。そう考え直したラーチは彼を孤児院に留め、「人の役に立つ存在になれ」と教えを説き、父親のように愛情を注いで育てた。
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孤児院でのホーマーの暮らしは、満ち足りていた。家族のような愛情を注がれ、大好きな映画『キング・コング』をみんなで見るのが大の楽しみだった。毎晩寝る前には、院長が皆に本を読んで聞かせ、おやすみの挨拶代わりの言葉が子守り歌となった。
「おやすみ、メイン州の王子、そしてニュー・イングランドの王」
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