ラーチ院長の仕事、それは分娩と当時禁止されていた堕胎だった。産んでも育てられない子どもを宿し、行く当てのなくなった女性を「救うため」に行っていた。彼は父として、ホーマーに自分と同じ道を進んで欲しいと望み、ホーマーもまた、その思いを受けて次々と新しい医術を学んでいった。
青年となったホーマーは、院長や看護婦とともに孤児の面倒を見ていた。孤児院には、ホーマーの次に大きいバスター、気管支を患っているファジー、なかなか引きとりてのない少女メアリ・アグネスを始め、たくさんの子供たちが生活し、家族が見つかるのを心待ちにしていた。
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ホーマーは分娩の手術も立派にこなすようになっていた。しかしどんなにラーチが言い聞かせても決してやらないことが一つあった。それは堕胎の手術だった。もしかしたら自分もこの世に生まれてこなかったかもしれない。そんな思いから、それがたとえ「女性を救う仕事」であったとしても赤ん坊を殺すことなどできなかった。
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