| | 20世紀の芸術はピカソの『アヴィニョンの娘たち』(1909)に始まるとされる。19世紀末の印象派の登場に続き、ここに絵画は見たものをありのままに写実することから完全に解放され、画家の自由な世界観と思想の表現に生まれ変わった。機械文明の発達や精神分析などの新しい科学、映画など新しいメディアの刺激を受けて、シュールレアリズム、フォーヴィズム、構成主義、未来派などさまざまな芸術的な思考のなかでそれぞれの芸術家が自分の作品世界を追及した。
映画の中でネルソン・ロックフェラーがマルゲリータ・サルファッティから送られるのはイタリア未来派の絵画。彼らは機械文明の発達の興奮をそのままに、機能性と運動のエネルギー、スピードを絵画に表現しようとさまざまな実験を繰り返した。その中心人物のマリネッティはファシストの熱狂に共感し、未来派はムッソリーニ政権公認の芸術スタイルとしていっそう栄えた。
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一方画学校の落第生あがりのヒトラーはモダニズムが理解できなかったらしく、ドイツの表現主義やバウハウス派、構成主義などのモダニズム絵画や、その先駆となったクリムトなどを“退廃芸術”として糾弾、多くの作品を没収し、芸術家を弾圧した。
ソ連では革命の熱狂のなかでロシア構成主義が革命的プロパガンダの芸術として開花、この映画のメイン・タイトルも構成主義風のデザイン。だがスターリンが社会主義リアリズムを公的な芸術様式と決定してからは急速に衰え、多くの芸術家が弾圧・粛正された。
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