ロックフェラーはアメリカ最大の資本家一族のひとつ。1839年生まれのジョン・D・ロックフェラーは貧しい家庭の出身だが、1870年にスタンダート石油会社を設立、ライバル会社を吸収・合併して石油業界のトップに立ち、世界最大規模の莫大な財産を築き上げた。

 1908年生まれのネルソン・ロックフェラーはその孫。祖父や父とはちがって本気で近代芸術を愛好していたし、進歩的な政治思想の理解者でもあり、ルーズヴェルト大統領の政策も支持していた。オーソン・ウェルズとは友人だった。第二次大戦中にはルーズヴェルトに協力し中南米諸国との“善隣外交”(ブラジルやメキシコなどが枢軸国側に着くことを恐れて、アメリカ大陸の団結を保証するため友好政策や経済援助を行う)の立役者になり、彼の頼みでウェルズはブラジルでセミ・ドキュメンタリー映画『イッツ・オール・トゥルー』(42-43)を監督することになる。ネルソンは後に政界に進出、ニューヨーク州知事やフォード政権の副大統領も努めた。
 
 
 ロックフェラー・センターはニューヨークの中央、5番街とアヴェニュー・オヴ・ジ・アメリカ、西47丁目と51丁目に囲まれた超一等地にネルソンの父ジョン・D・ジュニアが1931年から開発にとりかかったビジネス・カルチャーの総合センター。ニューヨークのシンボル的な建物だが、バブル期には一時日本企業が買収して物議を醸した。
 
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