| ペキンパ、スコセッシ、フリアーズが完成させた幻の企画 |
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発端は映画『カジノ』の制作現場、マーティン・スコセッシ監督に名脇役L・Q・ジョーンズが映画化されなかった小説のことを話した。第二次世界大戦後のニューメキシコを舞台に、魅力的な女性モナとふたりのカウボーイ、ピートとビッグ・ボーイの愛情をリリカルに描いた物語。それこそ巨匠サム・ペキンパが映画化を切望し果たせなかった企画だ。スコセッシは強い興味を持ち、自らをプロデューサーに、監督を『グリフターズ/詐欺師たち』で組んだスティーヴン・フリアーズに託した。ここに映画『ハイロー・カントリー』が誕生。本作は見事に1999年ベルリン映画祭銀熊[最優秀監督]賞に輝いた。
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| 男がいて、女がいて、愛がある |
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第二次大戦後のニューメキシコ。青年ピートは戦地から広漠とした牧場ハイロー・ カントリーへ戻ってきた。しかし、大半の牧場が戦争で成り上がったジム・エドに占有されていた。尊敬する友人ビッグ・ボーイはまだ帰郷していず、彼の弟リトル・ボーイはジム・エドの手下となっていた。ピートはフェスティバルに行き、ジム・エドの手下の妻で魅惑的な女性モナに出会う。恋人ジョセファに愛を囁きながらもモナに惹かれていくピート。そんな時、ビッグ・ボーイが帰ってきた。ピートとビッグ・ボーイは隣接する牧場を所有するフーヴァーと組み、ジム・エドに対抗する。ある夜、ビッグ・ボーイがピートに恋人を紹介すると言う。月の光に照らし出されたその恋人はモナだった…。
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| 失われていくものに対するオマージュ |
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牛はカウボーイが移動させるのでなくトラックで運搬、牧場は会計士が収支を計算し経営する。ピートとビッグ・ボーイはそうした時代に帰ってきた。しかし、彼らは変わらなかった。男の中の男、気概を忘れていないカウボーイのまま。そんなピート、ビッグ・ボーイと仲間たちは、ジム・エド=時の流れに対して敢然と立ち向かう。『ハイロー・カントリー』には失われていくものに対するオマージュが、脈々と流れている。
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| 誰にも伝えられない想いがある |
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ビッグ・ボーイ、リトル・ボーイ、ピート。男同士の友情から昇華した深い愛情、憧憬と尊厳、超えられない存在への愛憎。時代が移る狭間で、自身の決着を着けなくてはならなくなる3人。一方、愛情のベクトルが飛び交うビッグ・ボーイ、モナ、ピート、ジョセファ。美しい恋人ジョセファがいるにも拘らずモナに傾くピートの心。しかも、モナは尊敬するビッグ・ボーイの恋人。そして、長い時期を耐え忍びビッグ・ボーイとの愛をつかんだモナ。複雑に絡みあい、形成されていくそれぞれの愛情。運命の流れの中で、男と女の熱い思いは大きな分岐点を迎えていく。
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| 映画史の伝説の企画を成功させた熱いスタッフ、キャスト |
『ケーブル・ホーグのバラード』にも出演した西部小説の巨人マックス・エヴァンズの原作を、『ワイルド・バンチ』のウォロン・グリーンが脚色。監督は、時代と運命の流れの中で生きる人間を細やかな感情で表現した『マイ・ビューティフル・ランドレット』のスティーヴン・フリアーズ。撮影は『グリフターズ』のオリヴァー・ステイプルトン。音楽は『ファーゴ』などコーエン兄弟全作品を手掛けるカーター・バーウェル。美術と衣装は『ロスト・ハイウェイ』などデイヴィッド・リンチ作品を手掛けるパトリシア・ノリス。編集は『ザ・ビーチ』までダニー・ボイル全作品を手掛けるマサヒロ・ヒラクボ。製作はコーエン兄弟、ティム・ロビンズ作品を手掛けるティム・ビーヴァン&エリック・フェルナーが、スコセッシと名パートナーのバーバラ・デ・フィーナと組んだ。
ビッグ・ボーイには『ラリー・フリント』のウディ・ハレルスン。ピートには『スリーパーズ』のビリー・クラダップ。モナには『ロスト・ハイウェイ』のパトリシア・アークェット。そして、物語を決着に導くリトル・ボーイに『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』のコール・ハウザー、ピートの恋人ジョセファに『ライブ・フレッシュ』のペネロペ・クルス、ジム・エドに『ビッグ・リボウスキ』のサム・エリオット、ペキンパ作品常連のカティ・フラドも顔を見せている。
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