海外評タイトル
シノプシス
イントロダクション
海外評
マルセイユ
キャスト
監督
監督
監督
山田洋次監督 ミュージック
上映劇場
原作者
予告篇
幼なじみ
criti-marse.gif 『マルセイユの恋』が“世界を魔法にかける”ことを目的とした映画だったとすれば、『幼なじみ』の目的は“魔法を解く”ことだろう。若い二人が陥った灰色の世界……そこから救い出すために何ができるのか。
 この映画は、重い題材を扱いながら決して暗くはならない。第一にラストに希望があるから。そして、人間の暖かさが映画を美しく見せてくれるから。ゲディギアンが描いてみせるささやかな市井の人々は、人間としての威厳を保つことを知り、心を正しく持ち、屈辱に耐える美質を持っているのだ。それこそが、真の英雄たる人間の器なのである
criti-cosm.gifロベール・ゲディギアン監督は、常に休むことなく新たな挑戦を続けている。新しいアイディア、新しい物語、そしてそれを語るための新しい手法。今回、初めて小説の脚色に挑戦し、映画の目標をより刺激的な領域へと飛躍させることに成功した。
 特筆すべきは、これは家族の愛情の物語であり、やがて物語の中心は二人の父親に据えられ、友人同士である二人が祖父になるための冒険へと向かって行く姿に心を打たれる。ジャン=ピエール・ダルッサンが自分に妊娠を告げた娘に向ける眼差しを見る時、我々にも涙を流す権利がある。
criti-figaro.gif暗いテーマをもつ映画でありながら、俳優たちの顔をまるでマルセイユの陽光のような眩さで吹き飛ばす。たとえ苦しくとも美しい人生の喜びに満ち溢れている。アリアンヌ・アスカリッドはその素晴らしいエネルギーに光り輝き、女であり母である彼女の暖かい眼差しが、その一瞬一瞬に人間の希望を語っている。
criti-prem.gif 人生はバラ色なだけではないのだ。
criti-vogue.gif ともすればうんざりするようなメロドラマになりかねないモチーフだが、ゲディギアン監督の手に掛かると正反対の映画に仕上がるから驚きだ! まるで囁くように暖かく、家族や親子、友達、恋人たちの間に、そしてマルセイユの町に存在する“真実の恩寵の瞬間”に満たされた映画だ。
criti-pos.gif 『幼なじみ』で、ゲディギアン監督は自分のやり方そのものに問いかけを発している。初めてそのテーマの源泉を小説に求め、その複雑な物語展開からナレーションも採用した。また、舞台をマルセイユの中心街までのばし、路地だけでなく巨大な大聖堂などの近代的な街路でも展開させる。さらには、フランスから飛び出してサラエボまで広がっていくのだ。登場人物はみな、率直で、友愛に満ちており、これまでのゲディギアン作品の良さを汲んでいる。ときに演劇的な演出も健在で、“理想の都”と呼ぶにふさわしい優しいハーモニーに満ちた世界を作り出している。  後半のサラエボの旅で、ゲディギアンは「率直さ」と「スピード」という二つのカードをうまく使いこなし、ステレオタイプから逃れることに成功している。マルセイユよりもさらに荒れ果てた貧しい世界。その見知らぬ街で不安を抱えながら我が子の幸せのためにひたすら突き進む母。そこで出会う人々との真っ直ぐな会話、そしてレオ・フェレの「時の流れに」のメロディによって、さらに何かを語る……すべては語り過ぎない。この瞬間、ゲディギアンはその大きな主題に見合うだけの高みに達した。
         
 

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